意外と知られていない便秘とお通じの定義

当サロンには便秘でお悩み方の女性が大勢ご来店されます。
その多くの女性が、「 毎日、お通じがこないから便秘!! 」と訴えます。
さて、お通じは毎日こないと便秘なのでしょうか?
そもそも便秘の定義とは?
こちらの記事では、便秘の定義についてわかりやすくお伝えさせていただきます。
便秘とは!?
そもそも、便秘の定義って、なんだと思いますか?
実は便秘の定義ができたのは、ここ最近で、「 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会 」が作成した『 慢性便秘症診療ガイドライン2017 』によると、、
この中で便秘は
と定義されています。
この定義によると、毎日、快便という人にとっては、1日でも出なかったら便秘。
逆に、2〜3日に1回の頻度でも、すっきりと出ていれば便秘ではないということです。
お通じって毎日こなければならないものだとばかり・・
Aさん
毎日、ないといけないと思い込んでしまい、それがストレスになり、それが原因で便秘になってしまうこともあるんですよ
加藤
つまり、便秘はひとそれぞれ ということです。
そう言われても、しっくりきません・・・
Aさん
シンプルにいうのであれば、「 毎日、お腹にすっきり感があるかどうか!? 」 です。
加藤
というわけで、理想的なお通じというのは、ただ、毎日、お通じがあればいい!! という問題でもないんですよね。
大切なのは、理想的なお通じが、適切な頻度であって、毎日、お腹にすっきり感があるかどうか!! なんですね。
次は理想的なお通じについてお伝えさせていただきますね。
理想的なお通じとは!?
お通じは毎日きてくれるのが健康的ですが、ただ、毎日きてくれたとしても、その状態がとても大切!!
臭い、汚いのイメージのうんちですが、実は自身の健康状態を的確に教えてくれる貴重な情報源。
毎日、お通じがあったとしても、理想のお通じの状態とかけ離れていたら、腸がストレスを抱えているかもしれません。
<理想的なお通じ>
色 : 黄色~黄褐色
茶褐色の便が理想的。黒っぽい、という方は食物繊維不足で、日頃の食生活が肉食に傾いているかもしれません。
量 : バナナ2~3本分
小さめのバナナ2〜3本分の量が理想的。1本ぐらいしかないという方は、そもそも日頃の食事の量が少ない傾向にあるかもしれません。
臭い : 臭すぎない
臭くないのが理想的。刺激の強い臭いは、腸内での食物カスの腐敗が進んでいる状態です。
硬さ : 練り歯磨き程
固すぎず、柔らかすぎずが理想的。90%を超すと下痢気味になり、70%以下になると固くなってきて、60%になるとカチカチ、コロコロの状態になってきます。
感覚: 力まずストーンと出せる。
力むことなく、自然にスルッと出るのが理想的。また、排便後、残便感がないとよりGOOD!!
あなたのお通じは理想的な状態ですか?
では、次は、知らないとほんとうに怖い便秘薬のリスクについてわかりやすくお伝えさせていただきますね。
便秘薬とは!?
これまで、大勢の便秘に悩む女性の方をサポートさせていただきましたが、改善に時間がかかる方は、便秘薬を長年にわたり服用されているケースです。
病院でもドラックストアでもかんたんに便秘薬を手に入れることができ、飲めばすぐに効果を感じる便秘薬。
でも、安易に便秘薬を服用しつづけると、お通じがでなくなってしまう体質になるばかりか、他にも多くのトラブルの原因になります。
ここで一度、便秘薬について、どんな種類があるのかをここで確認しましょう。
便秘薬には、大きく分けて「刺激性下剤」と「機械的下剤」の2つのタイプがあります。
刺激性下剤
腸を刺激して、腸の運動を活発にして便を外に出すタイプの便秘薬
機械的下剤
薬が水分を含んで便をやわらかくしたり、薬自体が膨張してその圧力で便を押し出すタイプの便秘薬
一般的に、機械的下剤のほうが刺激性下剤に比べて、刺激が少なく、お腹への負担も少ないと言われています。
しかし、便秘でお悩みの女性の多くが、機械的下剤では効果が出ず、刺激性下剤を服用されている方がほとんどです。
便秘薬のリスク
便秘薬を毎日使用している方に、これまで大勢出会ってきました。
便秘薬ばかり使ってると、便秘薬がないと(お通じが)出ない体質になってしまうことをもっと、自覚していただく必要があります。
便秘薬を長期にわたり服用し続けると、便秘体質になるばかりではなく、他にもさまざまなトラブルが発生しやすくなります。
例えば、肌荒れ。これは、腸内環境が悪化してしまうことで、栄養が吸収されず栄養不良になって発生します。
栄養がうまく吸収しないということは、当然、太りやすくなることも。
他にも、髪の毛のツヤがなくなってきたり、生理痛がひどくなったり、冷え性になったり、と女性特有のお悩みの原因につながります。
便秘薬を飲み続けると
それでも、便秘薬を飲み続けると身体(腸)はどうなるのか??
便秘は、腸が伸縮を繰り返し、便を肛門へと運ぶ動き(蠕動運動)が弱くなってしまう方に発生します。
便秘薬はこの蠕動運動を促進することによって、便通を促します。
しかし、便秘薬ばかりに頼っていると、本来の蠕動運動がどんどん弱くなってしまいます。
もう、自らの力で動いてくれなくなってしまうんですね。
結果、便秘薬がないとお通じがこないカラダになってしまいます。
腸セラピストとして、これまで大勢のお腹に触れてまいりましたが、
長年便秘薬を飲み続けた方の腸は弾力がなくなってしまい、腸が下垂してしまうんです。
そうなってしまう前に、まずは便秘の原因をしっかりと把握し、対策を考えることがたいせつ。
次の記事では、便秘の原因・対策についてご説明させていただきます。